大判例

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福岡高等裁判所 昭和29年(う)569号・昭29年(う)568号 判決

ところで職権で調べると、原判決は判示第三において被告人両名が、判示岡本政規に対し判示のとおりの欺罔行為をし、同人を錯誤に陥れ、因つて同人から犯罪表記載の日時同記載の各金額(昭和二十四年九年二十一日以降昭和二十五年四月七日迄の間十二回に金十三万七千八百十五円)を受取つてこれを騙取したとの事実を認定判示し、これを併合罪として処断しているが、挙示の証拠によつて認め得る冒頭記載の事実のように、単一の犯意の発動に基いて相手方を欺罔し、その結果錯誤に陥つている同一人から、ある期間同様の方法によつて金員を騙取した場合においては、たとい、行為は数個であつてもこれを包括的に観察して一罪として処断するのが相当であるから右の事実は、これを包括一罪として処断しなければならないのにかかわらず、原判決が右のとおりこれを併合罪として処断したのは法令の適用を誤つたものでその誤が判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、原判決中被告人両名に関する部分は、刑事訴訟法第三百九十七条第一項、第三百八十条に則り破棄を免れない。

(後略)

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